必見!ウッドターニングに向く材料の入手方法と扱い方

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まいどです。

突然ですが、

生木のターニングって体験したことありますか?

ウッドターニングを楽しむのなら、生木削りもぜひお勧めしたいんです。乾燥材ではなかなか得られない、シュルシュルと勢いよく削れる爽快感と、乾燥に伴う歪みによって生まれる個性的な造形の面白さがあります。



 

また特に深いもの、厚いものが作りやすいという特徴もあるんです。

例えばサラダボウルやどんぶり、大鉢など、大きなものを作ろうと思えば当然材料もそれに応じたサイズが求められることになるのですが、一般的に乾燥の済んだ材料として流通しているものはほとんどが板や棒状のもので、厚みや太さも100mmを超えるようなサイズはなかなか販売されていません。

というのも木材を乾燥させようとした場合、厚いものほど割れが生じやすくなり、特に厚み100mmを超えるようなサイズを割れないように完全乾燥させるというのは至難の業といえるほど難しいんです。

割れが入ると商品価値は落ちてしまう上に、その需要自体もそれほど多くないため材木商としては高いリスクをとってまで厚物に手を出す理由はなくなってしまうわけなんですね。

また昔から木材の乾燥は「一寸一年」といわれるように、天然乾燥の場合は非常に時間がかかります。

 

このような事情からなかなか手に入りづらい厚い板を探すよりも、生の丸太を使う方がウッドターニングでは色々と都合の良い事が多いんです。

先に厚板の乾燥は難しい上に時間がかかるとお伝えしましたが、わざわざ分厚い材料の段階で難しい乾燥工程を経なくても、薄く削り出した後に乾燥させればその期間も割れのリスクも大きく軽減できる、というのが生木を扱う上での基本的な考え方になります。

ただしこの場合ほぼ間違いなく「乾燥による収縮と変形」が起きるので、変形しては困る品物の場合は2~3段階に時期を分けて加工する必要があります。それでも厚板や塊のまま乾燥を試みるよりはるかに期間も割れのリスクも縮小できるので、作品の形状や材料の選択肢に幅が持てることにもなるかと思います。

 

どこでどうやって手に入るの?

さて、このようにウッドターナーにはメリットの多い生木ですが、いったいどこで手に入るのでしょうか。
特に都市部ではなかなかに悩ましいところではありますが、個人的におススメなのは薪屋さんから買うことです。

ここ最近薪ストーブの流行りと普及に伴って、里山近隣部で雑木を薪に加工して販売する業者さんが増えてきてます。相談すれば丸太の状態での販売に応じてくれることも少なくありませんし、価格も乾燥済みの板を求めるよりずっとお手ごろだと思います。

薪屋さん以外だと、木質チップの製造工場(木質産廃処理施設)や植木屋さんに相談する手もあるかと思います。

ただし注意しなければならないのは、丸太やそれに近い形状で手に入れる以上、何らかの方法で製材しなければならないということです。
現実的にはチェンソーかバンドソーが必須になるかと思います。

 

 

 

これらの道具にはそれぞれ注意点や使用上のルール、メンテナンスの方法が存在します。

特にチェンソーは危険の多い道具であり、使用には正しい知識が必要です。専門書籍やビデオも良いですが、「伐木などの業務に係る特別教育」という労働安全衛生法に規定された講習をお勧めします。

 

ちなみに伐木の旬は冬で12~2月頃に伐られたものが材料としては良いですが、夏に伐ったりしたものはちょっと注意が必要です。

また注意として、丸太から製材した後はなるべく早めに加工しないと乾燥が進んでしまい割れて来てしまうことが多いです。ラップを巻いたりビニール袋をかけたりすることで若干寿命を延ばすことは出来ますが、湿気がこもってカビが発生することもしばしば。

生木としての加工リミットは伐倒後1~2か月までと考えた方がいいでしょう。

割れないように仕上げるコツ

最後に、乾燥とともに割れてしまわないように仕上げるコツを挙げてみました。
参考にしてみてください。

・厚みをなるべく薄く均一に(直径の1/20以下を推奨)

・構造強度を強くしすぎないこと→しなやかに造る

・厚みが適切なら20~30日ほど(気温15~25度、湿度40~60%)でおおよそ変形は止まることが多い

・更にしっかり乾かす場合は90~180日ほどが目安

・荒挽きから仕上げ挽きまでの途中乾燥の際、木口にシール系の割れ止めを塗布する(ボンドやワックス、ラッピングなども可)

・とにかくどうしても割れてほしくない場合は、煮沸処理やポリエチレングリコール系の割れ止め剤などを検討する(木材中の水分と置換する薬剤)

 

いかがでしたでしょうか?

以上の点を参考にして頂き、是非あなたも生木のターニングを楽しんでみてください。



 

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“必見!ウッドターニングに向く材料の入手方法と扱い方” への 5 件のフィードバック

  1. 初めまして上畑と申します。  私は九州の田舎在住ですから、大径の丸太が道路わきや山中に伐採されたまま放置されてたり、街路樹などが産廃処理されてる現状がもったいなく感じておりました。情報を得るとチェーンソーを2台担いで出掛け、玉切り・挽き割りし軽トラ一杯にしほぼ無料で頂いてきます。
    一昨年前、孫のスプーンやトレー等を手作りしたのをきっかけに、木の器・弁当箱・トレー・カトラリー等々を製作しようと、丸太(欅・桜・椿・槇・柿・果樹等々)を集め、小径丸太は割らずに、大きいものは(直径30cm~60cm)半割にし、水タンク等に漬けてましたが、水道代や入れ替えの手間が大変でどうしたものかと、思いあぐねてましたが、ここに生木ターニングという素晴らしい教えに出会えました。ありがとうございます。 もっと早く出会えていたら・・・。しかし、まだ木工旋盤は手元にないわけで。。。ここ半年ぐらい、様々なサイトを覗き、先輩諸氏のブログを拝見してきましたが、「これだ!」という木工旋盤に出会えずにいます。これがいいなと思うと販売終了だったりで。。。日本製・海外製、スペック・価格も様々ありますが、これから10年15年と使える小品から4・50cmのお盆も挽けるような旋盤の案内をお願いします。その他スピンドルサンダー、バンドソー、刃物・研ぎ類、等アドバイスいただけたら幸いです。予算的には旋盤30万、刃物その他で10万。。その他の機器で30万程度を考えております。
       よろしくお願いします!

    1. こんにちは。コメントありがとうございます。

      様々な樹種が身の回りで入手可能なのですね。羨ましいです。
      ぜひご活用頂きたいですね。

      機材のご案内に関してはメールにてお送りさせて頂きますので、ご参考いただければ幸いです。

      中島

      1. ありがとうございます。
        メールお待ちしております。
        ・・・機材に関してですが、見積もり・販売もされてるのでしょうか?

  2. 見よう見まねで木工旋盤を使っています。
    最近スキューチゼルで加工すると、加工面が秘蔵にきれいになることがわかったのですが、キャッチが多くなかなか使いこなせません。
    それと、スピンドルワークでは、先に行くほど細くなったりします。
    刃物の当て方やキャッチを起こさないコツなどがありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。
    なお、貴社発刊の本は購入させていただきました。到着がたのしみです。

    1. こんにちは。コメントありがとうございます。
      スキューチゼルの扱いはやや難しいので、ある程度の練習が必要ですね。

      まずとにかくベベルラビングを正確に行うことと、こまめに刃を研ぐこと、ロングポイント側をあまり使わないこと、
      刃を立て気味にする(エッジラインを回転軸に対して垂直側に近づけ気味に)ことなどがコツになるかと思います。ご参考頂ければ幸いです。

      ちなみに書籍「ア ブック アバウト ウッドターニング」は川口康氏著となっており、当スタジオでは販売をさせて頂いている形となります。
      非常に濃い内容の本となっていますので、是非末永くご愛読ください。

      中島

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