プロが教える機材の選び方その2 チャック編

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まいどです。

 

さて今回はチャック編です。

ウッドターニングを考えるうえで、材料の確実な固定は命題といえます。そして多くのシーンで活躍するのがこの「チャック」です。

しかし一言にチャックといっても、メーカーからサイズから多種多様でどれを選んだらいいのかちょっと悩ましいのが実情。

そこで今回は機能や価格の面からチャック選びを考えてみましょう。



目次

1.「チャック」って何?

そもそもチャックって何だかよく分からないという方もいるかと思います。普段の生活ではあまり耳慣れない言葉かもしれません。
端的に言うと、「材料や工具を固定するための道具」なんですけど、イメージ湧きますか?

今回この記事で紹介するのは木材を主軸に固定して回転させるという重要な役割を果たす道具のことで、ウッドターニングではほぼ必須といっていいほどよく使うものなんですが、写真のようにサイズも形状も様々です。

 

 

ウッドターニング用のチャックとしてはこのような「金属製の本体に、固定用の爪(ジョー=jaw)を付け替えて使用するタイプ」のものが広く普及しています。いわゆる「四つ爪スクロールチャック=4-jaw scroll chuck」と呼ばれる構造のものです。

スクロールと呼ばれる渦巻き状の金具が回転することで四つの爪が同時に開閉する仕組みとなっていて、ほとんどのものは片手で操作が可能なのでもう片方の手で材料を保持しながら固定することが出来るわけです。(一部両手で操作するレバー式のものもあります。)

 

確実な固定はウッドターニングにとって非常に重要なポイントであるため、安全面から言ってもやはりチャック選びは間違いのないものにしたいですね。

2.使用する旋盤と材料のサイズは?

それでは実際にチャックの選定を考えていきます。

サイズもメーカーも様々ですが、まずは使用する旋盤とワークのサイズに合ったものを検討しましょう。小型の卓上旋盤にあまり大きなボディのチャックはオーバースペックですし、大型旋盤で大きなワークを加工するのに小さすぎるチャックは危険です。

参考までに、卓上機(ワークの直径が約300mmまで)であれば本体直径(ジョーのサイズではありません!)75~100mmのチャックがお勧めです。大型機であれば100~150mmサイズのものを。

殆どのメーカーで基本的にはボディとジョーは別売りとなっており、必要に応じて様々なサイズのジョーを追加していくのが基本となりますが、初めて買うならセット構成のものを検討してもよいでしょう。

ただしジョーを選定する際の注意点として、メーカー間での互換性はほぼ無いということを覚えておいてください。
A社のチャックボディにB社のジョーをつける、というようなことは特殊な場合を除いてまず不可能です。

 

ちなみに、一般的な基準としてはワークの直径に対して1/3ほどの直径のジョーが推奨されています。
直径300mmのワークであれば100mmほどのジョーが適切だということですね。

このあたりの使用に関するノウハウはまた別の記事で詳しく説明したいと思います。

 

参考までに、現状比較的手に入りやすい製品の一部を挙げておきます。

 

Starter 100mmチャック 入手価格1万6千円~
比較的低価格ながら、テーパーロック構造のインサートを採用することで確かな精度を実現している。
各種ジョーとインサートがセットになった構成も人気が高い。

 

Vicmarc VM100, VM120, VM150 入手価格3万円~
王道オブ王道。旋盤メーカーであるVicmarcが作る、非常に信頼性の高いチャック。世界中で多くのターナーに愛用されている。

 

Oneway Talon, Strong hold 入手価格3万円~
こちらも旋盤メーカーであるOnewayの製品。お家芸のテーパーロックアダプターはひとつのアダプターで左右のねじに対応するという離れ業を実現している。

 

Axminster Clubman SK80, SK100, Evolution SK114 入手価格2万5千円~
Evolutionシリーズはステンレス製として鳴り物入りで市場に投入されたアキスミンスターの新製品。ステンレスのため生木を扱うターナーに人気が高く、ダイレクトスレッド(インサート・アダプタを介さず直接ボディを主軸にマウントする方式)の採用により高い精度を求められる場合にメリットが高い。

 

ここで2つ検討課題に加えたいのが、

①ジョーの付け替えはかなり面倒だということ。

②チャックを旋盤に取り付ける方式としてインサート(アダプター)を介すものとチャックボディを直接取り付けるダイレクトスレッド式のもがあるということ。

①に関しては実際多くの方が口にする問題で、よく使うサイズのジョーはなるべくボディへ付けたままにしておきたい。特にうつわもの(フェイスワーク)をやる場合、コールジョーやジャンボジョーと呼ばれる底面仕上げ用のジョーの使用頻度がかなり高くなることが多いですが、作業毎にこれを付け替えるのはかなり苦痛に感じる方が多いのではないでしょうか。

面倒だということ以外にも、頻繁にジョーの着脱を繰り返すことで摩耗や劣化は確実に早まります。
このため、予算的に可能であればチャックボディは2つ以上用意するというのも検討してみてはいかがでしょうか。

※2012年ごろからほぼワンタッチでジョーが着脱できるクイックチェンジ式のチャックが数種発売されていますが、確実な固定という意味では若干お勧めしにくいというのが使ってみての正直な感想です。

 

②はチャックの使いまわしに関して問題になってくる部分です。ダイレクトスレッドは精度も剛性も高くなる反面、小型旋盤と大型旋盤の間でインサートを交換して使いまわすというようなことが出来ません。
つまり将来旋盤を買い替えるなどしたときなどに問題になる可能性があるということです。

 

 

いかがでしたか?以上の点を参考にしながら、あなたに合ったチャックを選んでみてください。

 

そして次回は刃物とグラインダー編です。お楽しみに。



 

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